はじめに
Db2のバージョンアップでは、単純なインストール作業だけでなく、非互換の確認や設定差分の洗い出しが重要になります。
特に以下のような観点は事前に整理しておかないと、移行後のトラブルにつながります。
・パラメータの仕様変更
・デフォルト値の変更
・廃止された機能
・新しく追加された機能
これらを効率よく確認するために有効なのが、IBMが提供している移行ガイドです。
今回紹介する資料は以下です。
本記事では、この資料の構成と実務での活用ポイントを整理します。
資料の全体構成
本資料は、Db2 V9.7 から V12.1 への移行を対象に、複数のファイルで構成されています。
主な内容は以下の通りです。
| 資料名 | 内容 |
|---|---|
| 移行ガイド(Excel) | 推奨事項・考慮事項を一覧化 |
| 重要項目版(PowerPoint) | 重要ポイントの要約 |
| パラメータ一覧(Excel) | バージョンごとの差分一覧 |
特徴として、Excelベースで管理されているため、以下のような使い方が可能です。
・バージョンごとのフィルタリング
・対象プラットフォームの絞り込み
・必要な項目だけ抽出
単なるドキュメントではなく、調査ツールとして使える形式になっている点が大きなメリットです。
非互換調査に使える「考慮事項一覧」
移行時の非互換調査でまず使うべきなのが、考慮事項一覧です。
この資料には以下のような内容が整理されています。
・バージョン間の仕様変更
・非推奨機能
・削除された機能
・設定変更の必要性
実務では、以下の流れで活用すると効率的です。
- 現行バージョンを基準にフィルタ
- 対象バージョンまでの差分を抽出
- 該当項目を設計・移行タスクに落とし込む
この資料を使うことで、「何が変わるのか」を網羅的に把握できるため、抜け漏れの防止につながります。
設計で重宝する「パラメータ一覧」
本資料の中でも特に実務で使いやすいのが、パラメータ一覧です。
この一覧では、以下の情報が整理されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| パラメータ名 | DBM / DB / レジストリ変数 |
| バージョン別の有無 | 存在・廃止の確認 |
| デフォルト値 | バージョンごとの差異 |
重要なポイントは、単なる追加・削除だけでなく、デフォルト値の違いも確認できることです。
例えば、
・同じパラメータでもデフォルト値が変わっている
・以前は無効だった機能がデフォルトで有効になっている
といったケースは、移行後の挙動に大きく影響します。
そのため、この一覧は以下の用途で活用できます。
・現行設定との差分チェック
・設計書のレビュー
・パラメータシートの作成
実務では、設計書のひな型としてそのまま流用するケースも多い資料です。
実務での具体的な使い方
この資料は、単に読むだけではなく、調査・設計のベースとして使うことが重要です。
実務でのおすすめの使い方は以下の通りです。
まず、現行環境の設定を取得します。
・db2support でインスタンス設定や各パラメータを取得
・db2look でDB定義を取得
次に、パラメータ一覧と突き合わせます。
・現行値とデフォルト値の差分確認
・廃止パラメータの有無チェック
・新規パラメータの必要性検討
最後に、考慮事項一覧をベースにDB定義を確認し移行タスクを整理します。
この流れにより、
・調査
・設計
・作業整理
を一貫して進めることができます。
現行環境の情報取得については、以下の記事にまとめています。
Db2の構成情報を取得する方法とは?db2supportとdb2lookの使い分けを解説
まとめ
Db2のバージョンアップでは、非互換の把握と差分整理が重要です。
今回紹介したIBMの移行ガイドを活用することで、以下のようなメリットがあります。
・非互換項目を網羅的に把握できる
・パラメータ差分を効率よく確認できる
・設計や作業タスクに落とし込みやすい
特に、パラメータ一覧は実務で非常に使いやすく、設計書のベースとしても活用できます。
なお、具体的な移行方式や手順については、以下のIBM技術情報がとても参考になります。


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